YUKARINA イラストレーター|インタビュー
個展では1mを超える作品を展示。色鉛筆で描き込まれた緻密な線
YUKARINAさんは、1年前の『ひとつぼ展』で、色鉛筆で緻密に描き込んだ作品で見事グランプリを獲得しました。審査員の方々は、「本当に自分が良いと思っているものを描いている人」「少女の心の傷つきやすさを表現している」「今の時代を象徴している表現」など、危なげな今の時代を感じさせる作品と高く評価しました。 香川在住のYUKARINAさんに、会場見学をかねて来場された時に、インタビューをお願いしました。作品と同様に、ご本人もとても繊細な印象ですが、お話を聞いて、芯の強さを感じました。
描く世界
「強そうに見えて脆いもの、脆いように見えて強いもの」をテーマに、日々目にする素晴らしい世界や汚い世界を感じたままに描いています。私にとって素晴らしい世界っていうのは、人間以外の世界のこと。動物とか植物とか風景とか……。住んでいるところが、豊かな自然に恵まれているので、木や花、鳥や蝶など小さい頃から親しんできました。逆に汚い世界は、人間のいる世の中のこと。以前は顔を描いていたこともあったけど、顔を描くと絵のイメージが限定されてしまう気がして、今は人物は足とか、体の部分しか描いていません。 将来的には、絵を売って、アーティストとしてやっていきたい。海外にも出て行きたい……。でも香川の田舎で、描いているだけで発表もしなければ、海外で発表できるわけないし……。とりあえず今は、ギャラリーに作品ファイルを見せに行ったりしています。
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色鉛筆が好き
ちゃんと絵を勉強したことはないんです。絵の学校に行ったりもしましたけど、デッサンとかはあまり勉強していないですね。1回、デッサンの授業を受けたことがあるんですけど、石膏の顔がキムタクになってしまって、先生の顔が引きつっていました。 はじめの頃は、絵の具で描いていたんですけど、絵の具だと描きたいことが表現できなくて、限界を感じたんです。今はほとんど色鉛筆ですね。色鉛筆は描くにも力がいるし、時間もかかるけど、繊細に描けるところや、なによりも質感が好きなんです。展覧会とかがなくてもいつも描いているから、色鉛筆の減りがとても早いんです。GEISAIに参加した時とか、東京に行く用事がある時でも、画材を持って行って、泊まったホテルなどで描いています。
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「くちばしとメトロノォム」
グランプリをもらえたのは嬉しいけど、運が良かっただけって今でも思うんです。でも、たまたまだと思われるのはいやだから、あれから必死に描いています。今回の個展のタイトル「メトロノォム」には、グランプリをとったけど、気持ちをリセットして、一からまた描いていこうという気持ちを込めました。メトロノームってネジを巻いて、それで「カチッ」「カチッ」って動きだす。止ったらまたネジを巻いて、そこからまた始まるんですよね。 1年前の『ひとつぼ展』では、A3サイズくらいの小さい作品しか展示しなかったんですが、今回は1mを超える大きな作品もたくさん展示します。個展のDMに使った絵は、1574×1094mmの作品。一部原寸大で載せています。とても密度の高い絵なので、是非原画を見に来てください。
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1979年生まれ
香川県在住
インターナショナルアカデミー京都卒業
[受賞歴]
2006年3月 GEISAI#9参加 HIROMI YOSHII賞/9月 GEISAI #10参加 SWITCH賞
[展覧会]
2006年個展「カルキ」(大阪 CRYSTA WEST GALLERY)/ARTBEAT KYOTO 招待展示(京都 Teraimizu-cho Place)/ARTBEAT SELECT EXHIBITION 2006 (京都 ARTZONE)/AMUSE ART JAM 展示(京都 京都文化博物館)
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